みゅーじかるいろいろ

ミュージカルに関することなどをいろいろと。

幸せについて「勝手に決めんなよ」

※今回は(も?)ミュージカルのミュの字も出ません。おっさんずラブにはじまり、途中別の話に行きつつもおっさんずラブに終わる予定なのであしからず。

 

6/2(土)深夜に最終回を迎えた『おっさんずラブ』(以下、OL)ですが、終わってしまった虚脱感よりもむしろ幸福感に包まれながら、日常のふとした瞬間に思い出してみては、ものすごく咀嚼して今を迎えています。それが一般的な「ロス」なのでは…。

OLにドはまりしてから、My観劇ノート(テレビや映画の感想、日記が混在している超アナログ手書きノート)にOLの感想やら叫びが増えていって、twitterで大騒ぎしたりして、ちょっとこう脳内が学園祭の前の喧騒みたいな状態でした。数年後読み返したら、私wテンションwどうしたwwみたいな感じになること間違いなしですが、それもまた楽しいので、そのままにしておきたいと思います。

この盛り上がりについては、SNSをのぞいていたり、pixivやnoteの企画(OLに関する作品募集)をみていた方には説明不要だと思うので、今回は省略。公式TwitterInstagram、ものすごく丁寧に更新してくださっていたので、永久に残していただきたいところです。

最終回放送後は予告の読み解き合戦やら、放送直前の公式の絶妙な煽り(グッズ発売も決まったそうですね。ありがとうございます!おめでとうございます!)から解放(?)されたので、おとなしくOL民の自作のサイドストーリーを楽しんでいます。

 

それと並行して、ちょっと気になっていた本『さよなら未来 エディターズ・クロニクル2010-2017』(若林恵岩波書店、2018年)をやっと購入し、少しずつ読みすすめているところなのですが、「ゆとり女子を笑うな」に以下のような文章がありました。

 

自分のハッピーは自分で決めるものであって、社会や会社に決めてもらうものではない(73ページ)

 

sayonaramirai.com

(もちろんOLの話ではなく、前後のお話があります。気になる方はぜひ書店へ…)

 

OLに限らず、ある作品にどっぷりはまると、新しい物差し?眼鏡?バイアス?ができるので、この文章を読んだときに「勝手に決めんなよ」(@最終話By春田創一)じゃないか…!!となりました。正直、最終回の初見のときには、「プロポーズ…!?プロポーズした!!春田からプロポーズした!!」という感情に100%支配されて、ちょっと冷静にセリフを聞いていなかったのですが、後日横川さんのnoteを読んで、「勝手に決めんなよ」のパワーにやっと気が付きました。

note.mu

牧は、自分自身で「幸せにならない呪い」をかけてきていて、それを力ずくで解いたのが春田なんですよね。常識だったり規範だったり、いろんな言葉で言えると思うのですが、その「世間」にとらわれていた牧を幸せにするのは春田なんだっていう。

 

あと、もちろん多くのドラマや映画、舞台もそうなのですが、今回のOLも役者のみなさま、スタッフのみなさま、作り手の愛情のあふれた作品だと思いました。というのも、今回のドラマのプロデューサーの方のインタビューで、ドラマが好きだったからドラマを作りたいと思ったといった話があって、この情熱が作品からにじみ出ていたのだな、と納得しました。

realsound.jp

 

これまた『さよなら未来』の音楽業界に関する文章の中で、以下のような文章があって、ちょっと長くなるのですが、引用します。

 

自分になんの感動の体験もない人間が、もっともらしく「ユーザー・エクスペリエンス」を語り、数字しかあてにできない人間がしたり顔で「顧客満足」を論ずる。それによっていかに多くの現場がモチヴェーションを奪われ、クリエイティヴィティが削がれ、結果どれだけ多くのリスナーが離れていったことだろう。そりゃそうだ。そんな連中がつくったものにいったい誰が感動なんかするもんか。

人を動かす新しい体験をつくろうとするとき、人は「動かされた自分」の体験を基準にしてしか、それをつくることはできない。未来を切り開くことと「自分が心を動かされたなにか」を継承し伝えることは同義だろう、とぼくは思っている。(93ページ)

 

OLについてのインタビューなどのなかで、出演者の方が、すごく現場の雰囲気がいいといった話をされていて、現場の雰囲気…現場にいったことがないから想像だけど(笑)、きっと気持ちよく作品作りに没頭できたってことなのだろうな、とふんわり思っていたのですが、芝居とかドラマを愛する人たちのモチヴェーションが存分に発揮できて、クリエイティヴィティが増幅されていくような現場でつくられたものだったから、こんなに一視聴者のわたしが没頭できる連続ドラマになったんですね。

視聴率とか興行収入とかの「数字」がいまだに力を持っていることは否定できないですが、やっぱりそれだけで作品のすばらしさって測れないと思うんですよ。わたしがこれまで出会ってきて自分のなかで大切にしてきた作品って、数字だけでみれば記録には残っていないのかもしれないけど、そこから受け取ったメッセージや思いは確実に積み重なっているんですよね。

 

OLと『さよなら未来』に心が動かされたので、ちょっとでもその「自分が心を動かされたなにか」を文章に残しておきたいな、と思いました。未来のわたし、できていますか?